どんな研究室なの?

2012年2月1日に加納学教授が着任,同年7月1日に藤原助教が着任しました.現在,西原准教授も含めて,スタッフと学生が一丸となって新しい研究室を創りつつあります.

研究室の名称は「ヒューマンシステム論分野」で,一言で言ってしまうと,ヒトを中心に据えたシステム設計論の構築を目指した研究に取り組もうとしています.

今は21世紀で,2012年はマヤ歴の終わりなどと言われ世紀末っぽい怪しい雰囲気が満ち溢れています.確かに,広く周囲を見渡せば,環境問題,資源問題,経済問題など問題だらけです.でも,当然ですが,それらが問題であるのは,それらとヒトとの関係においてです.つまり,このままではヒトが幸福でいられなさそうであることが問題なわけです.

様々な○○主義への反省も含めて,今まさに,ヒトを大切にする社会が求められているような気がしませんか.その感覚は正しいと思います.そして,それは最先端の産業技術においても同様であり,技術を開発するヒト・使うヒトなどの様々な立場から,新しいシステムの設計論が必要とされています.

そこで我々は,ヒトの認識や行動のメカニズムを理解し,ヒトを中心に据えたシステム設計論を構築する基礎的な研究を行うと共に,その成果で社会に貢献するため,半導体・製薬・鉄鋼・化学・自動車など様々な産業での応用研究も実施しています.また,てんかん発作の兆候を検知し,発作が起こる前に通知する技術や,ストレスをリアルタイムに定量的に計測する技術などの開発にも取り組んでいます.

さらに,これらの研究活動や教育活動を通して,高い志と広い視野を持つ人材の育成を目指します.学部4回生から大学院を修了するまでの期間に為すべきことは,研究と就職活動だけではありません.良書を読み,縁を結び,視野を広げ,自分自身を高める努力も必要です.学生のうちに,師事し,親炙に浴することのできる人物に巡り会うことも,人生を豊かなものにしてくれるでしょう.

ここには詳細は記しませんが,これまでに私が書いたメモ(ブログ記事)を少しだけ紹介しておきます.これらを読んでもらえれば,どのような研究室を創ろうとしているかを含めて,研究室の方針がわかってもらえるのではないかと思っています.

我々の教育方針や研究方針に共感してくれる学生を,京都大学内のみならず,広く学外からも求めます.興味のある方は是非加納までご連絡下さい.一緒に,飛び抜けて充実した研究室生活を過ごしましょう!

   ( 教授 加納 学 )

 


研究室理念

全構成員が教員および学生としての本分に徹し, 志を持って,より良い社会の実現に貢献する. そのために,専門家および人としての成長に努める.

研究室指針

  • 社会的責任を自覚し,社会に貢献できる人物になることを期する.
  • 世界トップクラスの研究を行い,研究成果を通して社会に貢献する.
  • 学問に勤しむとともに,良書を読み,見聞を広め,縁を大切にして,有意義な生活を送り,自身の成長に尽くす.
  • 何事にも感謝の念を忘れない.

在学中に身に付けるべきこと

  • 論理的に思考し,自分の考えを説明できるようになること.
  • 正しい日本語で文章を書けるようになること.
  • 魅力的なプレゼンテーションができるようになること.
  • 必要な知識を身に付けられるようになること.

これらの能力は,研究者や技術者として不可欠であるばかりでなく,将来どのような仕事をするにしても非常に重要です.これらの能力が身に付いていなければ,自分の考えを人に伝えることも,人を動かすこともできません.

これらができるようになるためには,論理的に考え,文章を書き,プレゼンテーションをする練習をするしかありません.本研究室では,すべての学生に,研究進捗状況をレポートにまとめ,その内容を研究室全体のゼミで発表してもらうことで,これらの能力を鍛えていきます.また,国内外での学会発表を経験してもらうことで,プレゼン能力を高めます.

最後の1つについてですが,研究を進めるには多くの基礎知識や専門知識が要求されます.それらの知識を身に付けることは当然必要ですが,それが最終目的ではありません.在学中に身に付けるべきなのは,すぐに陳腐化する知識そのものではなく,そのような知識を必要に応じて身に付けられる能力です.学生時代の研究を将来も続けていくわけではありません.自分の能力を常に進化させていかなければなりません.そのための能力を身に付けるのだという意識を持って,研究に取り組んでもらうことを望んでいます.

大学院在学中に求められること

  • 国際会議で1回以上発表すること.
  • ジャーナル(学術雑誌)に1報以上投稿すること.

研究は,国際会議での発表やジャーナルへの掲載を通して,その成果を対外的に知らしめなければ完結しません.大学院生は研究に2年以上を費やすことになりますから,この期間中に,国際会議での発表とジャーナルへの論文投稿を経験してもらいたいと考えています.

世界中で誰もしたことがないことをするのが研究ですから,必ずしも目論見通りに研究成果が出るとは限りません.このため,論文発表には至らないケースもあります.それでも,上述の目標を掲げて研究に取り組むことで,よりよい成果を出せる可能性は高まります.

 


研究室風景

「良い研究は良い環境から」という考えのもと,研究室環境への投資は惜しみません.加納教授の着任後,2012年夏には研究室のデスクや本棚などを一斉に新しくしました.

データ解析やシミュレーションの研究が中心であるため,別室にある計算用サーバーに加えて,学生全員に高性能デスクトップパソコンを用意しています.また,ペーパーレス化と情報共有の効率化を進めるため,学生全員にiPad miniを用意しています.研究室内でのゼミはiPad miniを用いて行います.

 


研究室ポスター

ヒューマンシステム論分野ポスター [PDF 1.5MB]